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「鑑定士と顔のない依頼人」姿を見せない依頼人・彼女は何者なのか?8割がたネタバレ

 

※8割がたネタバレですが、オチは書いていません

 

映画の予告で見て、日本語の題にそそられた、
「鑑定士と顔のない依頼人」

(英題は、The Best Offer)

 

ジュゼッペ・トルナトーレが仕掛ける
極上ミステリー

姿を見せない依頼人

彼女は何者なのか

真実が明らかになる時

誰もがその“衝撃"にのみこまれる

 

 

映画が始まってから、ヨーロッパの街並みや風景に
息を飲み溜息をつきました。
エンニオ・モリコーネの曲が物語に溶け込んで、
少しずつ謎解きが始まっていきます。

 

主人公、潔癖症で変人の鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)

 

天才的な鑑定眼を持つ鑑定士は、
潔癖症で変人な初老の男。
他人を素手で触れるのを嫌い、
素手で触るのは名画のほこりを払う時だけ。

 

どこに行くのにも手袋をはめている。
高級レストランにも、自分用の食器があるのです。

 

姿を見せない依頼人

 

一流の美術鑑定士で、カリスマ的なオークショニア、
人間嫌いで独身。
そんな鑑定士に、見知らぬ若い女性から一本の電話が入る。

 

「亡くなった親の遺した家具や美術品の鑑定をしてほしいの」

 

古いその家に見に行くのだけど、女性は姿を見せない。
とても古い家はヨーロッパの街にすごく合っていて、
これはここにほんとうにある建物なのか、
映画用に高いお金をかけて建てたか、CGか?と思いながら
映像に惹きこまれていきました。

 

女性の両親の家だというその建物の中には、
古い家具や美術品がたくさんあるが、
鑑定士は地下室の床に転がっていた、歴史的価値のある美術品、
古いぜんまいを見つける。
壁にはバレリーナの女性の絵がかかっていた。

 

鑑定士はカリスマ的なオークショニアですが、
自分がほしい商品がオークションにかかると、
相棒のビリー(ドナルド・サザーランド)と組んで、不正な手段で商品を手に入れていました。

 

すべてが、女性の肖像画。
自分の隠し部屋に、たくさんの女性の肖像画を壁一面に飾り、
彼女たちに囲まれ中央に座るのが至福の時なのだ。

 

彼女は何者なのか

 

鑑定士は何度も、依頼人の家に行くが、
なぜか、なかなか会うことはできない。
依頼人の顔を見たい、と見ている者までが惹きこまれていく展開になっている。

依頼人の家に行くたびに、なぜかぜんまいや部品が
新たに目につくところに置いてある。
持ち帰り、なんでもなおせる修理屋ロバート(ジム・スタージェス)に渡していく、
古い美術品であるぜんまいや部品を組み合わせ、
オートマタ(からくり人形)ができあがっていく。

 

依頼人の家に行く回を重ねるごとに、
依頼人クレアに惹かれていく鑑定士。
やがてクレアの姿を見ることができる。
クレアは「広場恐怖症」という対人恐怖のパニック発作を持っていることがわかった。

 

依頼人クレアの屋敷の向かいに、カフェがある。
そこによくいる、数字の記憶が素晴らしい小人の女性、
場面が変わるごとに、つぶやく数字も変化する。

 

修理屋のロバート。
オークションの不正の相棒のビリー。

 

物語は数多くの高価な美術品と、
エンニオ・ モリコーネの音楽が極上のミステリーへと観客を誘う。

 

やがて、鑑定士は依頼人クレアを愛してしまうようになる。
鑑定士をやめて、クレアと生活すると決めた。
最後のオークションが終わる。

 

相棒のビリーが、「君に絵を送ったよ」と。
はたしてどんな絵が鑑定士に届いていたのか。
その絵を持って、たくさんの肖像画がある秘密の部屋に行く鑑定士。

 

真実が明らかになる時、誰もがその“衝撃"にのみこまれる

 

1時間50分後に、誰もがその“衝撃"にのみこまれていくラスト15分。
今まで進んできたストーリーにちりばめた場面が、
見事に浮かび上がっていく。
「あぁ、この絵は、、、」「あぁ、あの時からの、、、」

 

最後のどんでんがえしが、観客を待っている。

 

のですが、、、

 

脚本も俳優も音楽も風景も、
何もかも素晴らしい映画ですが、

 

たしかにラスト15分の場面の展開に、
とても驚かされたわけですけど、
同じようなミステリー&名画の作品、
ミケランジェロの暗号のような爽快感は無く、

 

なんだかもやもやとするような鈍い結末でした。

 

それは、主人公の鑑定士が自己中心主義で自信家だからか、
今まで思うように他人をあやつってきたからなのか。
美術品に対する異常な欲望から、そういう最後となってしまったのか、
など、いろいろ考えてしまう結末になっている。

 

Bern 037Bern 037 / Puntin1969

 
ただ、ずっと最後まで、ヨーロッパの素敵な街並みが映ることや、
素晴らしい脚本と、ジェフリー・ラッシュの演技力に、
もう一度観たい、と思わせる作品になっていると思う。
良い映画でした。

 

だからバレリーナの絵は、数々の名画のような重みが無かったのか。
あのカフェにいる小人症の女性が数字を呟いていたのはそういうわけが。

 

顔のない依頼人は誰なのか、、、
小人症の女性の名前は、、、

 

潔癖症で変人の鑑定士ヴァージル・オールドマンに、
レ・ミゼラブル(ジャベール刑事)の、ジェフリー・ラッシュ

ビリー役は、ハンガーゲーム(スノー大統領)の、ドナルド・サザーランド

 

驚愕のラストがあなたを待っています。

 

 

カーショップビクトリーの管理人でした。
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