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Who am I「ピエロがお前を嘲笑う」なんかお題に騙された感が、、、

2016/03/03

 

106分間、あなたが目にしたものは、
はたして真実か?

ドイツで10年に一度の大作、
ドイツアカデミー賞6部門受賞。

 

Who am I「ピエロがお前を嘲笑う」観ました。
お題にそそられて、おもしろそうだなって思って。

ほんの少しネタバレが入ります。

 

Who am I(僕は誰?)
僕はベンヤミン。
これは僕の物語。

 

出頭した凄腕ハッカーが、淡々と話し出すところから始まります。
「なぜ自首を?」
「ハッキングはトリックさ。どちらも人を騙す。」
手のひらの角砂糖は一つが、もう一度ひらけば4つになった。

 

ストーリーはこんな感じ、

天才ハッカーのベンヤミン(トム・シリング)は
とても気が弱く、人とうまく話しもできない青年。
世間を騒がせたハッキング事件に巻き込まれ、そして殺人容疑で追われてる、
それが警察に出頭してきて、
ハッカー集団「CLAY」に誘われ、殺人事件があったこと、
そして警察からもマフィアからも追われている、と話し出す。
実在の国際的ハッカー集団"アノニマス"を彷彿させる仮面をつけた謎の男、
4人目のMRXは誰か?

 

 

天才ハッカーが話初めます。
「こんなことがあった」と話し始めると、
回想シーンに場面が変わり、

「それからこうしたんだ」
そしてまた回想シーンに。

ストーリーは最初から、自主した凄腕ハッカーの話、
ベンヤミンが話す言葉はナレーションになりストーリーが展開、その繰り返し。
最初の数分で、「あれ?この感じ、どっかで?」
となってくる。

そう、ケビン・スペイシーの「ユージュアルサスペクツ」です。

ストーリーの展開はよく似ていました。
だから、クライマックスまでがあまり面白い感じがしない。
ハッカーの映像は素晴らしかったけど、
ハッカー自体が一般の人には非現実的で、あまり引き込まれない。

たぶんクライマックスで、ケビン・スペイシーが颯爽と歩き出す、
あの展開になるのだろうと、予測しながら観てました。

でも、ほんとうに最後の最後、、
「ユージュアルサスペクツ」の「うわぁぁ!」という晴れやかな気分には、
まったくならなかった。
そこが監督や、俳優の差かな、、と思いました。

 

「ユージュアルサスペクツ」を見ていなかったら、
映画の宣伝のように「92%は騙される」と思いました。
でも、あの映画を観てるから、そうはならなかった。

 

ドイツの映画ですし、監督も、主演も若いので、
そう思うのかもしれませんが、
そのわりには作品は良くできていました。
ハッカー同士のメールやファイルを、ダークネット(インターネットの裏)で受け渡す表現を、
地下鉄の列車の中で、仮面を付けた人たちが手渡す映像になってて、
ネットに詳しくない観客にも、わかりやすく表現できてると思いました。

ハッカー集団「CLAY」が活動するシーンはピエロの仮面をつけて、
ミステリアスな雰囲気もでてました。

 

まず名前をつけないと。
CLAYは?
Clowns Laughing At You
(ピエロがお前を嘲笑ってる)

 

ハリウッドでリメイクも決定しているマインドファックムービー、
どこまでこのトリックのタネを見つけることができるのか、
試してみてください。

 

※ここからは、この映画を見たかたしか読まないでください。
ほぼ、ネタバレです。

 

ベンヤミンが話しながら、ストーリーが再現され展開していくわけですが、
なんかいまひとつ面白さに欠けます。
いつおもしろくなるんだろう?と思いながら観ていました。

話が進むにつれ、なんとなくつじつまが合わなくなってきます。
殺人事件の容疑者に?ってなってるけど、実際そんな殺人事件は存在していないよね?とか。
あら?家が火事になったと言ってるけど、実際は残ってるし。
お母さんは多重人格者だったんだっけ?
なんとなく話が見えてきたかな?
あー、やっぱりそうか。
と、大どんでんがえし!というわけではなく、
「あー、やっぱりね」と思える結末でした。

 

安全なシステムは無い

連邦情報局をハッキングしたりとか、
ベンヤミンがダークネットで、MRXにトロイの木馬を渡すシーンは、
なかなか壮観な感じを受けました。
MRXは受け取らず、逆にIPのキーを渡し伝送、
ベンヤミンはの居所がばれてしまう。
おもしろいシーンでしたが、

今度はベンヤミンがMRXにハンマーを渡し、
そのハンマーにIPのキーが入ってて、
ついに警察は黒幕のMRXを捕まえてしまうが、、、

 

実在の国際的ハッカー集団を彷彿させるXの仮面を付けた男が!

あの子ではおかしいでしょう^_^;

 

MRXとは誰だ?
ベンヤミンか?
もしくはこの女警察の人???
どんな大物がくるのかと、映画の5分の4のとこまでひっぱってきて、
いままで出場もしていないごく普通の19歳の男の子なんて、、、
この脱力感w
ここで大物にきてほしかった。
でも、これもベンヤミンの話術の中で、作り上げられたもので、
もしかして本物のMRXではないのか?という風にも思えるのだけど。
どうなんだろう。

「タネを知ったらがっかりするよ。
人は見たいものを見る。」

この時にドアの向こうに仮面の男。
このシーンはなかなかいい演出でしたね。

 

このまま、ミステリアスな感じで終わってくれたら良かったんですけど、
あの船のシーンは、私には、いらなかったな~。
再現フィルムや答え合わせなんて、観客は望んでないから。
観客が「あー!こういうことか!」と独自で想いを馳せるようにしてほしかったです。
何回も言うように「ユージュアルサスペクツ」のように。
ケビン・スペイシーの演技は神のように完璧でした。

ベンヤミンは多重人格だった、だけで終わるのも良かったかもしれないのに。

 

もう一度見たい!という思いがわかないのが、
作りが良い映画だけに、少し残念だと思いますが、
見たかた、どうですか?

ユージュアルサスペクツ」は終わった瞬間、気分が爽快になり、
そして、もう一度見たい!と思いました。

 

他に、私が今まで観た中で、同じような展開の作品というと、

「鑑定士と顔のない依頼人」

この映画も最後はすごかったです。

「ミケランジェロの暗号」

ナチスドイツの戦況を左右する国宝級の名画はどこへ

これらも素晴らしい作品でした。

Who am I「ピエロがお前を嘲笑う」
ハリウッドのリメイクに期待します。

 

 

kei・victory

ほかにこんな映画が好きです。

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